性病・性感染症

性感染症について

性感染症について性行為などの性的な接触によって感染する病気の総称です。オーラルセックスやアナルセックスでも感染するケースがあり、のどなどに症状を起こすこともあります。
性感染症は男女で現れる症状やその強さが異なるものが多く、ほとんど症状がないまま進行する病気も存在します。感染が広がりやすいクラミジアや尖圭コンジローマは増加傾向にあり、日本ではほとんど見られなくなっていた梅毒もここ数年で急速に患者数を増やしています。性感染症は、普通の方がかかってしまうことが多く、特殊な病気ではありません。しっかり治さないと不妊や流産のリスクを高めてしまう性感染症は少なくありませんし、母子感染するものも存在します。症状がない場合もパートナーが治療を受けないでいると再感染を繰り返してしまいます。必ずパートナーと同時に治療して、しっかり治しましょう。

代表的な性病

梅毒

一時期、日本ではほとんど発症するケースがなくなっていましたが、近年になって患者数が増加していることがニュースでも取り上げられています。性的な接触以外に、皮膚などの病変に直接接触して感染することもあります。感染してから10~90日の潜伏期間を経て症状が現れますが、時間経過によって現れる症状が変わるため、病期は第1期から第4期に分けられています。
梅毒は血液の抗体検査で診断でき、ペニシリン系の抗生剤による適切な治療で治すことができます。母親が感染していると新生児が先天性梅毒になる可能性がありますが、適切な治療で治すことができますのでできるだけ早い受診が必要です。

第1期

感染から10~90日後に、感染を起こした性器や口などにしこり状の初期硬結ができてただれ、潰瘍になります。また、リンパ節が腫れることもあります。

第2期

感染して3ヶ月以上経過して症状を起こします。発熱や倦怠感、そして全身に赤い発疹が現れます。発疹にはかゆみがほとんどないことが特徴です。

第3期

感染して2~3年経つとゴム腫という結節ができます。骨や内臓、筋肉などにでき、サイズが大きくなります。

第4期

感染して10~30年間を経過すると、心臓血管系や中枢神経系に障害を起こし、心臓、血管、脳などに重大な症状を起こし、放置すると死に至ります。

淋菌感染症(淋病)

一般的には淋病と呼ばれています。男性には排尿痛などわかりやすい症状が出ますが、女性は感染しても無症状のケースが珍しくありません。ただし、適切な治療を受けないと不妊や子宮外妊娠につながることがあり、母子感染を起こすこともあります。男性が発症したら、パートナーの女性も必ず受診してください。また、のどや直腸に感染した場合には男女ともに自覚症状に乏しい傾向があり、注意が必要です。
男性の主な症状は、排尿痛と濃尿です。女性は、黄色がかったおりもの、不正出血、外陰部のかゆみなどが現れることもありますが、症状に乏しいケースが多くなっています。
体液を採取して病原体分離培養や核酸検査(PCR)によって診断します。抗生剤による治療を行いますが、薬剤に耐性を持つ淋菌が増えているため、抗菌薬注射が必要になることもあります。

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)の6型11型によって発症する性感染症で、皮膚や粘膜にある病変と直接接触して感染します。潜伏期間が、3週間~8ヶ月と長いのが特徴です。やわらかいイボ状の腫瘤が外陰部や肛門周辺にできて、カリフラワーのようになってしまうこともあります。早期で小さい場合は外用剤や凍結治療による治療が行われることもありますが、ほとんどはイボ治療同様にレーザーや電気メスで除去します。完治まで性行為はできません。

性器クラミジア感染症

クラミジア・トラコマチスが原因となっている性感染症で、粘膜の直接接触で感染するため、性器だけでなくのどへの感染もあります。潜伏期間は3日~1週間で、男性の半数程度は無症状で、女性はほとんどのケースで自覚症状がほとんどありません。また、男性が症状を感じる場合も排尿痛や違和感、かゆみ程度です。女性が感染に気付かずに放置していると将来の不妊や異所性妊娠につながる可能性があり、母子感染も起こることがあります。再感染を防ぐためにも、症状がなくてもパートナーの治療は不可欠です。
体液や尿などによる抗原検査か血液による抗体検査を行い、マクロライド系やニューキノロン系の抗生剤による治療を行います。

性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルス(HSV1型、2型)が原因となる性感染症で、皮膚や粘膜の病変と直接接触して感染します。ウイルスが付着したタオルなどによる感染もあります。潜伏期間2~10日で軽い違和感やかゆみなどが起こり、水疱がつぶれて潰瘍になると強い痛みを生じます。特に女性は初感染による症状が強くなる傾向があります。半月から1ヶ月程度で自然に治りますが、何度も再発することもよくあります。再発時の症状はあまり強くなく、1週間程度で治ることが多くなっています。
水疱や潰瘍が特徴的なので、視診でも容易に診断できますが、必要な場合には血液検査で感染の有無を確認します。抗ウイルス剤で治療しますが、短期間に再発している場合にはある程度長期の治療が必要になります。

性器カンジダ症

真菌(カビ)の1種であるカンジダ・アルビカンスによる性感染症で、免疫力が下がっていると発症しやすくなります。男性に症状が乏しく、女性もかゆみや白っぽいおりものが出る程度で、感染に気付かないことがよくあります。組織を採取して顕微鏡で観察するか、培養して感染の有無を調べます。真菌が原因なので抗生物質は効かず、治療には抗真菌薬が必要です。

膣トリコモナス症

寄生虫であるトリコモナス原虫による性感染症です。分泌物との接触による感染の他に、タオルなどを介して感染することもあります。女性は、トリコモナスに感染すると膣内の環境が悪化して感染症リスクが上昇し、不妊症や流産のリスクが上昇します。かゆみ程度の症状しか起こさないことが多いのですが、特有の臭気を出すことがあるため、匂いが気になったら受診してください。男性の症状が出にくいため、男性が治療を受けずにいると女性が再感染を繰り返してしまうことがあります。診断は、体液を採取して原虫の有無を確認して行います。治療では、メトロニダゾールが用いられます。膣錠もありますが、内服薬を使うことで尿路の原虫も駆除できます。

ケジラミ症

陰部や陰毛の直接接触や、衣類や寝具を介して感染する寄生虫です。潜伏期間は約1~2ヶ月とされています。他の性感染症と違い、コンドームで感染を防ぐことはできません。症状は激しいかゆみです。自然に治ることはなく、家族などへの感染を防ぐためにも早期の治療が重要です。視診で虫体や卵を確認して診断し、フェノトリンによる治療を行います。また、寝具や下着、タオルは共有せずに、毎日洗濯してください。

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